Jの神話

「ついにボロを出したわね!」(p312)

逆に好きじゃない部分を抜粋するという新技.

《黒猫》っていうキャラ付けが好きじゃない.面白いし人間性,それ自体はいいのに,それを「私は《黒猫》.今日も東京の街を駆けていく...」みたいなこと言われると急に安く見えて萎える.彼女が《黒猫》として生きていくに至った事件やその経緯を深く掘るならまだしも,匂わせただけで特段の言及もなし.過去の事件が原因となって,自己同一性の上書きが行われたのだとしたら名前くらい変えたら?《黒猫》のダサさがすごい.(でもこれって90年代末の作品なのか,当時はウケたんだろうな)

p356の「何ですって!」は流石に笑った.こういうキャラがぶれるような脚本はとても萎える.

設定とキャラクタ性とストーリーがまずあって,その流れの中で,こいつこうは発言しないやろ,みたいな台詞,声のトーンは急に読み手を突き放す.今見ているロード・エルメロイⅡ世の事件簿(アニメ)におけるグレイもそう.キャラはいいのに脚本でたまに,「うっ」ってなる部分があるし,ディレクションそれであってる?っていう瞬間も多々ある.ただ,上田麗奈の声優自体は決して悪くはないことに注意されたい.要は全体を見渡した時の調和の問題である.


とか大それたことを宣おうかと思っていたが本書は全くミステリではなかった.

怒涛のホラー(?)だった,解説氏曰くSF.

テラワロス.

おもしろかった,76点.ただ他人におすすめしたくなる点数ではない.

@がんばらないで生きていく(烏龍茶@がんばらない)

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