スプートニクの恋人
ぼくは昔の日々のことをふと思い出した。ぼくの成長期(と呼ばれるべきもの)はいったいどこでいつ終わりを告げたのだろう? そもそもそれは終わったのだろうか? ついこのあいだまで、ぼくは間違いなく成熟への不完全な途上にいた。ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースのいくつかの曲がヒットしていた。数年前のことだ。そしてぼくは今こうして、一つの閉じられたサーキットの中にいる。ぼくは同じところをぐるぐるとまわり続けている。どこにもたどり着けないことを知りながら、それをやめることができない。そうしないわけにはいかないのだ。そうでもしないことには、ぼくはうまく生きていくことができないのだ。(p122)
またp272-273が本書を全体としてよく言い表している節だと思うなる意見を耳にした.引用はしないがたしかに私もそのように思う.
私は「あちら側」に夢を見続ける自分がいることを想像している.そして私自身もまた「あちら側」に行きたいとそう思うこともある.
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